プラバンとレジンでストラップを作った
今回はこんなのを作った。 プラバンに智絵里ちゃんを描いて、それをガラスボトルに入れてレジンで固めたストラップ。
だいぶ暑くなってきたし、この時期に作るなら何か夏っぽくて涼しげなものがいいなあと思い、テーマは水中に浮かぶ智絵里ちゃん。
このアクセサリ用のガラスボトルは、もともと四つ葉のクローバーを入れて固めようかと思って買ったものだったけど、これに四つ葉を入れるのは大きさ的に難しかったのでキャンセル。 その後、ふと何か作ろうと思って買っておいたプラバンがあったのを思い出したので、それを使ってひとつアイテムをつくることにした。
製作各工程の詳細や写真はこのあと載せるとして、先に軽く感想。 プラバンに描く作業は細かくて大変だったけど、比較的上手くできた。 一方封入作業の方で問題が起きて、当初ハードレジンを使ったら硬化させる段階で失敗した。 代わりにソフトレジンを使ったけど、ソフトレジンだと粘度が高くて、気泡を取ろうにも細かく分裂してしまったので結果として少々見栄えが汚くなった。 大きい気泡なら残っても全然よかったんだけどね。 思ったほど綺麗な見栄えに仕上げられなかったので、70点くらいかな。
ちなみに智絵里はソロCDのジャケットをトレスして描いた。
THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 023緒方智絵里
- アーティスト: 緒方智絵里(CV:大空直美)
- 出版社/メーカー: 日本コロムビア
- 発売日: 2013/11/13
- メディア: CD
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ガラスボトルを見ながらどんなものを作るか、金魚鉢みたいなものにしようかと考えたときにこのジャケットが思い浮かんで、これをつかったデザインにしようと決めた。
今回はもうひとつ違うデザインのストラップも作った。 色付けに細かく砕かれた琉球ガラスを入れて、円柱状に固めたもの。
ガラスボトルで使ったプラバン智絵里は練習と予備を兼ねて複数個作っておいたので、余ったものを使って作った。 ガラスボトルの方の製作途中に思いついて半ばお遊びで作ったものだけど、後に作っただけあってこっちのほうが綺麗に出来た。 こっちは85点ってとこ。
以下は今回作ったものの製作過程。
プラバンに智絵里ちゃんを描く
手順はざっと次の通り。
- CDジャケットをトレスして輪郭線をとり、プリントアウトする
- プラバンの表面を紙ヤスリで削る(着色のため)
- 極細ペンを使ってプリントアウトした輪郭線をプラバン上に写す
- 色鉛筆で着色する
- 輪郭に合わせて適当な形にプラバンを切る
- 最後にオーブンで収縮させて出来上がり
最近は直接プラバンに印刷することもできるようだけど、インクジェットプリンタがないので手書きでやった。 着色には水性ペンとかを用いる方法もあるけど、レジンに浸すとにじみそうだし、色の重ねができるよう普通の色鉛筆を使った。 色鉛筆で塗ってみたら薄くしか色が乗らないので不安だったけど、収縮させてみたら発色が良かった。
輪郭線の段階では脚のリボンや胸元のさくらんぼのポンポンとかも描いていたけど、この大きさ(収縮前の状態で最大幅24mmほど)に手作業でそれを描くのは無理だったので、プラバンに写すときには省略した。 ただ髪飾りのクローバーだけはちゃんと付けてあげたかったので、色塗りの段階で緑をつけた。
ちょっと余談。 描いてる間に改めて思ったんだけど、智絵里の衣装は露出多いよね。 さくらんぼのポンポンがなくなったら余計に布面積の少なさに目が行く。
話を戻して。 輪郭線を描くときはまず細心の注意を払って瞳を描き、その次におへそに力をいれた。 それ以外だと指が難所だったね、曲げ具合とか指一本一本の太さとか、集中力が必要なのに描いてる途中に腕がぷるぷるしはじめて「あああああ!」ってなった。
描けた表情や塗りに不満があったり、プラバンを上手く収縮させられなかったりで、結構な数をリトライした。 顔は上手く描けたのに、熱したら歪んで少々微妙な表情になってしまったりで、納得行く出来に仕上がるまでが難しかった。 プラバン扱うこと自体も久々だったので、収縮後に丸まったプラバンを平たくしようとしてる間に熱が冷めて割ってしまったことも。
ガラスボトルに封入する
ここからがメインの作業になるわけだけど、これがいろいろと難ありだった。 まずは失敗作の方から紹介。 当初ハードタイプのレジンを使ったけど、空洞ができたり、プラバンとレジンの境界面で剥離が起きたりして、失敗した。
これまでやったレジンクラフトでは平面状のものしか作ってこなかったから、どの程度収縮するかとか、収縮でここまで空洞ができることをあまり把握してなかった。 数段階に分けてレジンを注入していけばよかったのかもしれないけど、硬化した後にレジンの層に境界が出来てそれが目立ったらやだなと、一気に注入したのも良くなかった。
といった経験を得つつ、ソフトタイプのレジンを使って再挑戦。 まずはプラバンだけを固める。
これはボトルに封入するときに位置取りしやすいようにするのと、プラバンの周囲にほかのアイテムを置かない(重ならない)ようにするため。
レジンで固める前のプラバン表面はすりガラス状の半透明だったけど、レジンに浸したら上手いこと透過するようになった。 半透明のままになっても仕方ないと思ってたので、予想してたより綺麗に透過してよかった。
半分ほど注入した状態。 プラバンとレジンの境界も、当初予想してたよりは目立たない。
次の写真で口が二重になってる部分で分かるように、硬化前後ではレジンの境界面が目立つけど、完全に硬化するとこの境界もほとんど見えなくなった。
封入物を入れながら全体が浸るまで段階的にレジンの注入と硬化を繰り返して出来上がり。
ソフトレジンを使うことで上手くいったけど、粘度の低いハードタイプと比べるとソフトタイプは粘度が高いので、気泡が入りやすいし、一度入ると取り除きにくい。 結果、多く残ってしまった。 作品的に大きめの気泡がいくつか残るのはいいけど、細かい気泡が結構できてしまったので、少々汚く見える。 性質上致し方ない部分はあるけど、もうちょっと上手くやれたかとは思う。
あと、プラバンとレジンの境界での剥離はソフトレジンを使っても起きてしまった。 見る向きによっては鏡面状に反射してしまう。
ただハードレジンを使った場合よりは綺麗な状態に剥離したので、これならまあ許容範囲。 着色した側(ヤスリで削った側)は剥離してないので、着色しない面もヤスリで削っておけば剥離は起きなかったかもしれない。
封入作業が終わった時点でこんな感じ。
顔の近くに気泡が出来てしまったのは失敗したなあ。 これのせいで写真を撮るとき、綺麗に見える角度がかなり限定される。 実物を見てる限りではそんなに気にならないけどね。
大きさの比較もかねて、ミニッチュちえりんと二人で記念撮影。
せっかくだし、トレス元として使わせて頂いたのでCDともいっしょに。 背景が濃い色だとちょっと汚く見えちゃうな。
円柱型ストラップを作る
今回のもう一作、円柱型の方の製作過程。 手順はこれと言って特筆するようなことはないので写真だけ。 手元にあったフェライトコアの内側に、フィルムを円柱状に巻いて固定。 その中にレジンと封入物を段階的に入れながら硬化させた。
ストラップを取り付けるための金具がないか探したところ、安売りしてたネックレスから取ってきたクローバーがあったので、それをちょいと加工して入れた。
これを頭に入れて硬化させたら完成。
残った素材と手元にあった素材で作ったにしては、かなり満足のいく出来。 フィルムの固定に使ったマスキングテープの跡と、フィルムの端の跡は残ったけど、減点対象はそれくらいで、なかなかいいものが出来たかな。
ソフトレジンは硬化したあとも若干ベタつきが残るね。 これが嫌ならニスなどを塗ればいいみたい。 それか、まずフィルムで作った型にハードレジンで薄く中空の円柱を作って、その後内側にソフトレジンを詰めていくやり方でもよかったかもしれない。
制作後記その他
プラバンを使えば細かいイラストを使ったアイテムも入れることができていいね。 ヤスリで削っても透過してプラバンの表面は見えづらくなるのも、いろいろ幅が広がっていい。 プリンタで使えるプラバンも売ってるってのを制作中に知ったのだけど、レジンに浸してもインクがにじまないなら、これを使って直接プリンタで印刷するのもいいかもしれない。
- 出版社/メーカー: クイックアート
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球形のガラスボトルだと、封入してレジンで満たすとレンズになって中身が大きく見えるから、レジンを入れる前後で見た目が結構変わる。 ものによっては予想と違う出来になって難しいかもしれない。
あと、今回使ったガラスボトルは溝がなく蓋が引っかかる部分がないので、引っこ抜けやすい。 バッグとかに付けて外に持ち出すと、歩いてる間に外れて落っこちたりしそうなのでちょっと不安。 うちの中で飾るだけにしようと思う。
ガラスボトルは結構レジンの使用量が多かったけど、円柱ストラップなら比較的少なめで済むのでたくさんつくるにはいいかもしれない。 容器になるようなものも不要だし、少ない素材で綺麗なものが作れるのがいいね。 また別のデザインでやりたい。
おまけ
使い残したレジンをシリコンモールドに流しこんで作った青い四星球。