フィリスのアトリエ ~不思議な旅の錬金術士~ 感想&総評

公認錬金術士試験に合格した時点で一区切りとしてよかったのでその時点で序盤の感想として書こうと思ったものの、ちょいちょい書きながら進めてるうちにイルメリアEDまで到達してしまった。 一旦区切らないときりがないので、以下はエンディングまで到達してさらに少し進んだ時点までの感想と、そこまででの総評として書く。 かなり文量が多く、書いてる内容にも一部重複がある。 積極的にネタバレしていくってほどではないけど、公認錬金術士試験以降の出来事についても書いてるので、プレイ進行中の場合はご注意頂きたい。

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前書き

以下では、括弧付きの『フィリス』は作品の方、括弧無しのフィリスは主人公の方を指すものとして書き分けしています。 アトリエシリーズの他の作品と主人公についても同様の書き分けです。

感想に入る前に簡単にこの文章を書いてるプレイヤーの情報を書いておくと、アトリエシリーズは『トトリ』から始めて、次いで『ロロナ』→『メルル』の順でアーランドシリーズをプレイ。 その次の黄昏シリーズはゲーム未プレイだけどアニメの方で『エスカ&ロジー』を楽しんだ。 その後、新たに不思議シリーズが始まったことを期に前作『ソフィー』でゲームの方に復帰、今作に至るといった流れ。


総評

発売前に公開されたPVを見た時点で個々の要素に『トトリ』っぽさを感じたけど、『トトリ』で初めてアトリエをプレイしてその楽しさを知った身としては、今作で久しぶりにそのときの楽しさを再び味わえているのがとても嬉しい。

錬金術士のフィリスといつも側で見守る姉リアーネ、親友でライバル関係のイルメリアというキャラクターの存在だったり、広大なフィールドの探索と超弩級調合での船の製作、砂漠・森林・雪原のように南方から北方まで季節を疑似体験できる様々な景色と、それを彩る楽曲などなど。 『トトリ』と類似する要素は多くそこが楽しさを覚える要素ではあるけど、当然ながら全く一緒というわけではなく、違う物語・違うキャラクターたちとともに独自の世界が作り上げられてる。


今作はとにかくやれることの幅と量が多いという印象。 旅がテーマになってるだけあって行ける場所は多いし、それぞれのフィールドはかなり広く、そしてその場所場所でいろんな街とキャラクターが登場するので、起きる出来事とそれに応じた依頼など、やれることが多い。 フィールド自体も、単に観光気分で景色を眺めてるだけでも楽しいポイントがたくさんある。

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一方でストーリー面に関して言うと、旅を通して自分のやりたいことを探すという物語ではあるけど、そのバックボーンあるいは最終目標となりうるシナリオ(例えば『トトリ』における母の行方の追跡、『ソフィー』におけるルアードの阻止など)が特にあるわけではないので、途中で目的意識を見失いがちになるという面もある。 キャラクターに感じる愛着だったり、ストーリー的な面白さも前作の『ソフィー』と比べるとちょっと弱いかなと感じる。

前作『ソフィー』では基本的に探索や戦闘は街の外、キャラクターとの会話やストーリーの進行は街の中っていうメリハリがあって、ゲーム進行→シナリオ進行→ゲーム進行というサイクルが上手く回るように出来てた。 一方の今作『フィリス』では各キャラクターのストーリー進行が起きる場面がまちまちで、場面によっては唐突感があることもあるし、今抱えてるものをどこから手を付けるか迷うことが多かった。 加えて公認錬金術士試験と時間制限があるうちはそれが気がかりで、各キャラクターとの親交を深めたり違う採取地を目指してみたりする余裕がどれほどあるのか分からず、高い自由度がある割には結局種々の制限があり、存分には楽しみづらい感覚があった。 その点で、特に試験に合格できるまでの期間は『ソフィー』の時ほどはのめり込めなかった感がある。

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試験後は制限がなくなり自由に進められるようになるし、旅を通して自分のやりたいことを探すという新たに芽生える目的もそれ自体は悪くない。 ただ一方で、筋書きが用意されているのは試験まで、以降は明確なシナリオや必ずクリアしなければならない最終目標があるわけでもないので、試験後は一時目的意識が不明瞭になってしまい、モチベーションが若干落ちた。 壮大な旅と公認錬金術士試験という部分は『トトリ』に似てるけど、『フィリス』には母の行方を追うという目的に相当する主軸となるシナリオがない、というのが大きな違いであり、旅を続ける上でのモチベーションに影響した。 といっても途中で飽きて投げ出すってほどではなく、続けていく内にキャラクター毎のシナリオにシフトしていき、それで再び流れに乗ることはできた。

『フィリス』は、とにかく広いフィールドを探索したり、強敵を探して討伐するのが楽しいって人には存分に楽しめると思うけど、シナリオ上の明確なゴールとその結末を見たいというモチベーションで進めるタイプの人には少し難がある作品かなと思う。 ゲームとしての楽しさを求めるか、シナリオの面白さを求めるか、その違いによって『フィリス』の評価は結構変わるかと思う。

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採点

『ソフィー』は90点と評価してるけど、『フィリス』は今の所70〜80点って評価になるかな。 概ね一通りの要素に触れる程度は遊んだとは言え、まだ遊びつくしたとは言えない時点での評価になるので、この先さらに遊んでいけばもう少し加点することになると思う。 少なくともこの先下がることはそうそうないと思う。

ボリュームで言えば、体感的に『ソフィー』の1.5〜2倍くらいの量はあったような感覚。 時間的にもそれくらいは十分遊べそう。 一方で先に試験と時間制限に関して書いたように、楽しさの密度で言うと『ソフィー』よりは薄めで、ボリュームと密度を掛け算すれば『ソフィー』と『フィリス』は同じくらいかな、というのが感覚的な評価になる。

所用時間

セーブデータを見ると公認錬金術士試験の合格までで34時間、エンディングまで(一人目のイルメリアEDに到達するまで)で54時間かかってた。 といってもこの数字はそこまで参考にはならないと思う。 他のキャラクターのイベントも同時進行してるし、イベントはスキップせずボイスを全部聴いたり、何もせず風景だけぼーっと眺めてたり、休憩や合間の別作業で放置したりとかの時間も含んだ上でのプレイ時間がこの時間になるので、最短コースをさくさく進めて正味20〜30時間程度があれば、少なくとも誰かしらのエンディングには到達できるんじゃないかと思う。



以上が総評。 以下は個々の要素についての所感と評価。


キャラクターとストーリー

前作『ソフィー』では、物語のきっかけとなる過去の経緯はありつつ、シリーズの始まりらしく新たに物語を紡いでいく人たちにフォーカスされてたような印象があった。 今作『フィリス』では、旅というメインテーマとは別に、見聞院の存在やカルドの職業など「記録」あるいは「知識の集積」という部分がフォーカスされてるような印象。 こういった要素は前作でもレシピ発想や図鑑という形で存在してたけど、不思議シリーズの過去にあったかもしれない営みを、今の人たちも別の形で繰り返してる、そんな姿が今作ではクローズアップされてるのかなという気がした。 『ソフィー』・『フィリス』のジャンルは一貫して「錬金術再生RPG」となってるけど、その経過がシリーズを追うごとにちゃんと描かれてるように思える。

不思議シリーズ二作目ということで、前作との繋がりもいろいろと見えるのが面白い。 冒頭でフィリスが鉱石の声が聞こえると言ってたときには、ソフィーが一度声が聞こえると言ってたことを思い出したし、素材の声が聞こえるというのはこのシリーズでも描かれてる。

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同様に、錬金術とはどのような力か、その力をどのような目的に使うかという倫理的な側面は前作でも一つのテーマになってたけど、それは今作でも触れられる。 前作ほど深くは触れられないけど、不思議シリーズのきっかけにもなるテーマでもあるからか、前作をやっていなくても印象を残すだろう形で触れられてる。

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前作から引き続き登場してるメクレット・アトミナの二人も、何か調べて回ってるようだし、ソフィー・プラフタの二人も本来の目的とは別になにか抱えてたような描写があった。 前作から続く物語があるんだろうけど、これが今作で完結するものなのか、それとも次回作にまで繋がって不思議シリーズ通してのストーリーになるのか。 ソフィーを始めエンディングはまだ全ては見てないので確定的なことは言えないけど、この先にも繋がりそうな気がするので期待が持てる。

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直接登場はしないけどコルネリアも量販店を続けてるし、レオンさんと思しき人の話も出てくる。 モニカも今の所名前が出てきてはいなかったと思うけど、それは逆に次回作での再登場フラグなのかもなあと思ってるので、こっそり楽しみにしてる。

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今作の主人公フィリスについては、今の所はまだ「可愛らしく好感が持てる」ぐらいの存在。 もちろん現時点でも十分愛着は湧いてるけど、前作でのソフィーほどには至ってない(ソフィーは夢にまで出てくるくらいだった)。 ソフィーは大きな目的があってストーリー的にも主軸一本なので、エンディングに達するまでの間に「この子とこの子の周りにいる人たちの想いや夢を叶えてあげたい」くらいに思い入れが湧いたけど、今作はストーリー的にはマルチエンディングで主軸となるはっきりしたシナリオがあるわけではない、フィリス自身も何が自分のやりたいことなのかまだわからず旅の中で見つけていく、という子なので、今のところは姉のリアーネと似た視点で見ながら一緒に旅して行く末を見守るという程度。

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フィリス以外も含めてキャラクター自体は基本的にみな好感が持てる存在なんだけど、今作では前作ほどの深い愛着は抱けてない。 前作プレイ時と比べると感受性が落ちてるという個人的な事情も一因としてあると思うので、正直なところこの部分については客観的な良し悪しは評価しづらい。



ソフィーはしっかり先生してるなあという印象。 ゲーム的にも、前作においてプラフタが担ってた案内役は、今作では主にソフィーが担ってしっかり演じてる。 具体的な行き先の決まってない旅において、その途中で迷わないように指針を出して適度に方向付けをしてくれる。 ゲームの進行に関わる大きな指針や目的地は示すけど、そこに行く間の道順までは細かく指示しない。 フィリスに対しても同様で、大事なことは教えるけどその全てではなく、他のことはその過程で自分なりに探してねというスタンスで、いい師匠という感じ。

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前作ではソフィーとハロルの兄妹のような距離感の関係が好きだったんだけど、今作でそれに相当しそうなのはレヴィーとカルドあたりだろうか。 この二人は関係が進んでくるとどういう距離感になるのかってのが楽しみ。



ロロナとクーデリア、トトリとミミみたいなライバル関係にある存在として今作にはイルメリアがいるけど、イルメリアはクーデリアやミミとは違ってまだ子供っぽさが強く残ってて、プライドの高さも小生意気な感じに見えてしまうのがまた可愛いね。 途中訪れるフィリスとの仲違いも、本人たちは深刻に悩んだだろうけど客観視点では可愛らしさのあるぶつかりあいで、先の二組と同じく愛らしい二人で、ソフィーとプラフタとはまた違った形の友情が描かれてるのがとてもいい。 この二人はずっと一緒にいて欲しいので、おそらく次回作で登場するだろうフィリスとともにイルメリアもぜひ登場してもらいたい。 シリーズ3作で最終的に3組の錬金術士ペアが登場するようになると嬉しい。

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前日談

ストーリー的な部分でひとつ書いておきたいこととして、『ソフィー』の方で配信されたDLC「後日談エピソード」について。 今作発売前に、前作の後日談(今作から見れば前日談)として、ソフィーが旅に出て今作に至るまでの経緯が描かれるのが嬉しかったね。 次回作への期待を高めるっていう意味でもよかったし、実際『フィリス』を始めてから「そういう風に繋がるのか」と楽しむこともできるし、シリーズ二作の間をつなぐものとしていい施策だったと思う。 今作でも既にDLCでキャラクターとストーリーの追加がされてるので、『ソフィー』の時と同様に『フィリス』でも次回作に繋がる後日談の配信があるものとして期待してる。

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グラフィックとフィールド

これに関しても前作『ソフィー』から順当に進化してるなあという感じ。 旅というテーマの表現として、『フィリス』で描かれる様々な風景は十分なクオリティとバリエーションになってると思う。 どこも広く綺麗で、フィールドをただ見回してみるだけでも楽しい。

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前作にあった昼→夕→夜の時間変化と雨や霧などの天候変化に加えて、今作では「アオロ雪原」という雪の舞うフィールドが加わったのが発売前からの楽しみだった。 前作をやったときに、季節の要素として冬のシチュエーションないしは雪のフィールドがあればいいなあと思ったけど、今作でそれが見事に取り入れられて嬉しい限り。 『スノウブライト』の衣装も可愛くて今作の衣装の中では一番のお気に入りだし、発売前に何種類か衣装が公開された時から動いてるのが見たくて雪原に行くのが楽しみだったので、アオロ雪原一帯は今作で行けるフィールドの中でも特に好き。

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時間帯や天候だけでなく、時間制限(時間経過)がある以上は春夏秋冬の季節のめぐりも取り入れられたら面白いだろうなと思ってただけに、旅というテーマと、各フィールドと衣装の組み合わせによってそういった季節の変化を擬似的にでも体験できるようになったのが、今作の魅力の一つだと思う。

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もうひとつのお気に入りは水辺だね。 湖や川などは前作にもあったけど、基本的に流れる水というのは無くて街に噴水がある程度だし、浅瀬にも立ち入ることはできなかったけど、今作では川や滝など流れの早い水辺が結構あって、それを見るだけで景勝地に行った気分になれる。 滝は水が跳ねてるのが綺麗だし、その奥に洞窟がある場所もあったりして、見た目だけじゃなくフィールド要素としても楽しい。 水辺では足を踏み入れることが出来る場所もあるし、釣りができるところもあってそれだけで面白い。 釣りをするときのフィリスのモーションやセリフが可愛いのでついつい用もなく釣りをしてしまう。

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エアドロップを使って水底探索が出来るのは『ロロナ』以来になるのかな。 水中フィールドは水底で珍しい素材が集められる程度のおまけ要素・お遊び的な位置づけかと思ったけど、かなり奥深くまでフィールドが広がってるので他のフィールドと同等の採取地になってるし、進むにつれて危険度が増し最奥には強敵がいるという緊張感もあり、『ロロナ』の時以上に楽しい水底探索だった。

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あとは『トトリ』の時にあったような波打ち際や海辺があったらもっと面白かったね。 湖に砂浜はあったけど、水平線が見えるような景色があれば最高だったかなと思う。 もしかしたらまだ行ってないところにそういうフィールドもあるかもしれないけど、少なくとも現時点では到達してない。


フィールドの移動

今作では行ける場所が多い上にフィールドが広くなった分、移動が面倒になったのは難点として挙げられる。 ワールドマップは現在位置とフィールドの位置関係を示す地図としての役割のみで、この画面での移動はできなくなった。 なのでフィールド間を移動するのに経路上のすべてのフィールドをいちいち移動しなければならないのは面倒な手間だなと感じる。

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一応、一度行った場所なら旅人のたき火やランドマークを使ってジャンプできたり、試験合格後はスカイフリーカー(空飛ぶほうき)を調合して装備すれば素早くひとっ飛びできるようにはなってるので、広さに起因する移動の面倒さに対しては緩和策が用意されてる。 ただそれでも特に用のないフィールドを移動するのは面倒。 なので、ワールドマップでの移動を、スカイフリーカー同様ある程度進行してからの開放という形でもよかったので今作でも使えるようになってればよかったなと思う。

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『トトリ』のトラベルゲートは「このアイテムチート級だな」と半ば笑いながら使ってたけど、今作のアトリエテントも時空を歪めてるって意味ではぶっちゃけトラベルゲートとたいして変わらない荒唐無稽感あるから、まんまじゃなくてもトラベルゲート的なアイテムがワールドマップの代わりに用意されててもそれはアリだったかなあと少し思う。

あと、スカイフリーカーで移動するとBGMの切り替わりに難がある。 フィールドBGMの代わりに流れるスカイフリーカーのBGM自体はむしろ好きなんだけど、移動が素早い分、BGMに聞き入る前にすぐ別のBGMに変わっちゃったりするので、そこはあまり好きじゃない。 バグというよりはちょっとした不具合だけど、たまにスカイフリーカーとフィールドのBGMが重なることがあるのも微妙なポイント。


市街地

フィールドのうち、採取地に関してはここまで書いてきたように概ねよい印象だったんだけど、一方で市街地は無駄に広い感がある。 特に「ライゼンベルグ」・「フルスハイム」と、フルスハイムの奥にある「湖畔の長道」は、もうちょっと内容を集積してもよかったんじゃないかと思う。 街の中ではスカイフリーカーが使えない上に、出口となる街の端には必ずしもランドマークや店があるわけでもないから、移動がとにかく面倒。

ライゼンベルグは来てすぐこそは広がる町並みに面白さを感じるんだけど、一通り見慣れてくるとイベントが起きる箇所がいろんなところに散り散りになってるからその広さがだんだん嫌になってくる。 広さの割に行く場所も限られてるので、フルスハイムの泉みたいに街の中にもう少しお遊び要素が多ければよかったなと思う。

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あと、店や街内のアトリエなどが夜間は開いてないというのも、現実的にはそうだよなってところだけど、街の中を移動してる間に時間が経って途中で閉まってしまうということが多々あった。 これもそういうもんだと納得するまでは少々鬱陶しかった。 といった感じで、ライゼンベルグとフルスハイムは広いけど面倒が多く大きさの割に面白みがいまいち足りない街って感じだった。 ただ街のフィールドすべてが悪いわけではなく、例えば「エルトナ」や「メッヘン」は、こじんまりと集積した街とその外縁に広がる採取地があり、広さと配置された要素のバランスがよかった。



そういえば、フィールドでメニューを見てる時に気づいたんだけど、天候に応じて画面に日光が指したり、雨粒や雪が落ちて紙が濡れたりしてて、細かいなあと思った。 こういう演出があると、今映ってるのは単なるゲーム画面じゃなくてフィリスの見ている視点って感じられてすごくいい。

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キャラクター

キャラクターの3Dモデルに関しても衣装やアクセサリ類の作りこみや個々の仕草は細かいし、イラストの可愛らしさがそのまま動いてるような姿になってる。 今作では口の中が赤一色じゃなく歯や舌が見えるところが少し気になったかな。 これまであまり見慣れないものだったこともあって、正直序盤では少し違和感を感じた。 (以下の参考画像は静止画なので目立つけど、実際映像で見たときはもう少し目立ちにくくなる)

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『ソフィー』の時も口の中は見えたけど、そこに意識が向くことはなくそんなに気にならなかった。 たぶん、会話とかで下の歯が時々見えるようになったのがその理由かと思う。 アニメやイラストだと上の歯が白一色で塗られてたりするけど、下の歯はそんなに描かれてる印象がないから気になりやすいんだと思う。 好みで言えばあんまり好きじゃないんだけど、でもそこにこだわってやろうとしてるところは悪くないというか、違和感なくなるところまで頑張ってやってほしいように思う。


その他

デモ映像の段階では戦闘がやたらカクカクしてるように見えて若干心配だったんだけど、実機でプレイしたときには戦闘でカクつくことは無かった。 PS3版の『ソフィー』で遊んでた時は戦闘のコマンド選択時につっかかりがあるような感じが終始あったけど、『フィリス』の方ではそういうものは一切なかった。 戦闘以外の操作でも基本カクつきやもたつきは感じなかった。

フィールドも基本的に重くなることはなく、なめらか。 ただ「葉擦れのラフォーレ」か「蜂の巣山道」あたりの森林フィールドで、木と水辺や草花が鬱蒼とした場所に敵がたくさんいる状態だと重くなることはあった。 それでもフレームレートが低下して描画が遅くなるだけで、操作に対する反応自体は遅延しなかったので、ストレスになるような重さでは無かった。



そういえば今作で初めてPS4の作品をやったけど、正直そんなに綺麗になったようには感じない。 作りこみが雑ってことは全く無いけど、PS4だからすごく綺麗ってわけでもなかった。 PS3で『ソフィー』をやった時もフィールド探索で綺麗だなあと思う場所がたくさんあったけど、それと比べてもPS4で劇的に良くなったというほどではなかった。 まあそんなにいいモニタを使ってるわけでもないからPS4の潜在能力を生かし切れてないだろうし、まあそんなものかなってところ。

割と3D酔いしやすいタイプなので3D系のゲームをやるときは少し不安になるんだけど、それについてもこれまでのシリーズ作品と同様に問題なくプレイできた。 ついつい遊びすぎて目と肩が疲れるという問題は依然としてあるけど。


音楽

前作『ソフィー』の時は発売前に公式サイトでBGMが試聴できるようになってたから、そこで曲を知ってそれが聞ける場所に行くのを楽しみにゲームを進める、ということができた。 今作ではそれが無かったので、とりあえず進めてみないとどういう曲があるのかわからず、曲目当てで行きたい場所を選ぶことができない→知らない場所を目指す動機が薄い状態でのスタートになった。 なのでこれも序盤でのめり込むまでに時間が掛かった理由になるんだけど、行って初めてそのフィールドのBGMを聞く時の新鮮さというのは、旅する中での発見に相似するものとも言えるので、今作のテーマには即した形にはなってたのかなと思う。

フルスハイムでは長いこと拘束されて若干BGMにも飽きがきてたんだけど、ようやく船が完成していざ出発するときに流れた歌唱曲・霜月はるかの『嵐を越えて』は、今作でも聞けるのを楽しみにしてた楽曲だったので達成感があったし、その先で聞けるクラーデル平原のフィールド曲『果てしなく広がる世界へ』はタイトルどおり壮大で高揚感のある曲で、ようやくフィリスの旅が本番を迎えたような気分だった。

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正直なところ、フルスハイムでの長期拘束があったためにここに到達するまでで若干モチベ落ちかけてたから、この曲が無かったら旅を続けるのは難しかったかもしれない。 逆に言えば、旅するときの高揚感をこれ以上無く感じさせてくれる曲だと思う。 エルトナを出た直後にもこれくらいワクワク感のある曲を用意しておいて欲しかったなと思うし、今作の序盤はちょっとのめり込むまでに時間がかかった。


フィールドBGM

先に書いたクラーデル平原の他だと、フィールド曲で好きなのはアオロ雪原の『しんしん』だね。 すごく綺麗な曲だし、寒いことがただそれだけで悲しくなってくるような、孤独感のある切ない雰囲気がすごく好き。 それでいて夜バージョンから昼バージョンに切り替わって鳴ってる音が増えるだけで僅かに和らぐような気分があり、日差しの温かさみたいな感覚がある。 フィールド曲における昼verと夜verの切り替わりは、『ソフィー』と同様に時間経過による変化を演出するものとしてすごく好きなので、次回作でも引き続き期待したいポイント。

ところで、アオロ雪原では人工太陽を使えば雪を溶かして春のような光景に変化させることができるわけだけど、変化させた時もフィールドBGMは『しんしん』のままなので、若干アンマッチ感があるのが惜しい。 『しんしん』の春バージョンもあったらより一層環境を変化させた感が演出されてよかっただろうなと、ちょっとだけ思った。


キャラBGM

今作ではキャラクター毎のBGMの印象が弱いように思う。 BGM自体は悪くないんだけど、聞けるタイミング等の要因のせいか印象に残りにくい。 一緒に旅をするっていう都合上、アトリエ内でイベントが起きることが多くなるのがその理由かと思う。 比較として、前作『ソフィー』では時計店にいくとハロルが居てハロルのBGMが流れる、同様に教会前のモニカやカフェにいるテスなど、場所と人物とBGMが一体となって印象を残す。 でも今作では人物とBGMは当然一体だけど、イベントが起きる場所がアトリエだったりフィールドだったりとまちまちなので、毎度印象が微妙に変わってしまい、そのせいかBGMとキャラクターが一体となった印象を構成しにくくなってるような気がする。

具体例としてイルメリアに関して言えば、序盤でイルメリアと出会ってからずっと一緒に居た割には、実技試験で相対する時に流れたBGMがイルメリア曲のアレンジだってことに気づくまで結構かかったし、イルメリア曲をイルメリア曲としてはっきり認識するようになったのは、その実技試験の後になってからだったと思う。 場所と人物とBGMの一体性が刻む印象という観点で見れば、今作では作風上仕方ない、前作がだいぶよく出来てた分のギャップは仕方ないかなという感じ。


戦闘BGM

割と序盤から聞ける強敵BGMの『Arcturus』か、イルメリア戦の『勝っても、負けても』、ソフィー戦の『知を越えて』が今作のお気に入りになりそうかなって思ってたんだけど、パルミラ戦で聞いて以降は『Shooting Star』が今作で一番好きな曲になった。

可愛らしい印象のサウンドでありつつもスピード感があって気分が高揚する楽曲であり、さらにかつアトリエシリーズらしい魂が震えるような沁みるメロディーもあって、可愛い・楽しい・切ない・負けたくないなどなど、ワンフレーズごとにいろんな感情が湧き上がってくる。 戦闘曲、特に強敵BGMとなると、緊迫感があったり荘厳な曲がたいていだけど、それに加えてこの曲だとポジティブ寄りの印象がかなり混じり込む。 コミカル寄りの曲というわけではないのに、危機感よりも楽しさが前に出る。 知ってる限りでは、これまでシリーズにあった戦闘曲の中でも最も「楽しい」戦闘曲になってる。

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戦闘は苦手ではないものの積極的ではないのでストーリー上必須じゃない強敵との戦闘は避けがちなんだけど、とにかくこの曲をBGMにしたパルミラ戦は楽しくて、この曲聞きたさにもう何度もパルミラのところに遊びに行ってる。


歌唱曲

今作も歌ものの曲が結構あるけど、まずは主題歌に関して。 『ソフィー』の時も毎回飛ばせないOPだったけど、『フィリス』でも同じく。 発売前に公開されたPVを見たときからワクワク感半端ないなと思ってたけど、未だにOP見ると高まる。 毎回起動してこのOPを見ると、映る景色はどれも綺麗だから、それを見ながら「今日はどこで何しよう、今やってる依頼が済んだらあっちにも行ってみたい」みたいな気分になって、自然とモチベーション高くなる。 シリーズ過去作のOPもどれも良かったけど、映像と音楽がこれまでになく作品の雰囲気をよく表してると思うし、「このOPは飛ばせない」って感覚にも現れてるように導入としての役割を完璧に果たしてるという点で、過去やってきたシリーズの中でも随一のOPだと思う。

OPとしてだけじゃなく、『flora』を曲単体で聞いてもとてもいい。 どこか出かけるときにこのを聞くと、ゲームを始めるとき、あるいはフィリス自身と同様にすごい楽しい気分になる。 そして二番からは楽しさだけじゃなくてちょっぴり切なさもある歌詞で泣ける。 一度外を歩いてる時にフルサイズを聞いてたら、うっかり外で泣き出しそうになってやばかった。 OPを見ていい曲だなーと気に入った人はフルサイズのMVが公開されてるからとりあえず見て聞いてほしい。

ほかにも、アーランドシリーズ以来久々にアトリエ楽曲でその歌声を聴くことができた山本美禰子の『わたしの見たい景色まで』も、期待してたとおりいい曲だった。 本編中ではアバンタイトルで一度しか聞けなかったけど、一人エンディングを迎えてEXTRAを開放してから改めて映像とともに聞いてたら、色んな景色を見てきたなあと思ったと同時に、まだ見てない景色もあるなあとも思って、一区切りと同時にいいリスタートになった。


難易度

終始NORMALでプレイしてたけど、難易度に関してはいつもどおり丁度いい具合だったね。 基本やさしめで、フィールドの強敵は嫌なら避けることができるしストーリーの進行を阻むような敵はそもそも存在しない。 ボス級の敵はチャレンジ要素として点在するけど、これも準備が整うまでスルー可。 戦闘には消極的でヌルく遊びたい派には優しい構成。

今回は公認錬金術士試験を受けるまでの時間制限があるということで、序盤は特に残り時間を気にしながらだった。 特に、推薦状が1枚しか集まってないのにフルスハイムで100日ぐらい足止め状態になったときはかなり不安になった。 その後も、推薦状が集まったらあとは寄り道ぜす、まっすぐライゼンベルグを目指した。 けど到達してみれば結局のところそんなにシビアではなかったし、焦って進めることは無かったし、もうちょっと寄り道できたかなと思う。 試験までの時間制限がどれほどのシビアさなのか、ゲーム進行中は分かりづらかった。 ここはもう少しゲーム中に説明があってもよかったかな。

初回特典の衣装『ワンダーランド』を着ていれば時間が稼げるので基本的にはこの衣装を使ってたけど、過ぎてみればそこまでしなくてもまあなんとかなったんじゃないかなあと思う。 ゲームに相当自信がないって人でも、後先考えずに寄り道するとかさえしなければ、時間的にも難易度的にも最低限公認錬金術士試験を受けるまでは到達できると思うし、そこまで行ければその後もだいたいなんとかなると思う。

そういえば、調合や採取出発時にはアトリエ内でぐるぐる歩きまわったりしながら考え事するっていうのがこれまでシリーズ通してやってきたお決まりの遊びだったんだけど、今作ではアトリエ内で動いてるだけでも時間が経過するので焦った。 まあそんなに大量に時間を無駄にしたわけではないけど、アトリエ内での移動時間くらいは免除してほしかったりする。


公認錬金術士試験

今作におけるひとつのハードルであり必須イベントの公認錬金術士試験に関して。 せっかくなのでまずは受験までの経緯と受験レポを書いてみる。

一度ライゼンベルグで試験の受付をしたら外に出られないという注意があったにもかかわらず、意味を十分考えないまま受付を済ませてしてしまったせいで、試験日までずっとライゼンベルグ内に軟禁状態になったのがつらかった。 先にも書いたように時間制限のシビアさが掴めてなかったので、とにかく受付だけは済ませて最低限試験は受けられる状態にしておこうという考えが前に出すぎてた。

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おかげで街の外に出て戦闘でレベル上げしたりできず、調合するにも素材は減っていくばかりで、割とどん詰まり感があった。 試験で具体的にどんな出題がされるのかも明確じゃなかったから、受付前まで戻ってやり直すか迷ったけど、結果的には試験はなんとかなった。

ライゼンベルグ到着が残り100日ごろで、試験準備とか依頼とかライゼンベルグ内だけでやれることを全部やっても確か30〜40日くらい余った。 余った時間を寝て過ごすってのはやりたくなかったけど、あまりにやれることが無かったので結局試験日まで寝て過ごす羽目になり、おかげでうちのフィリスちゃんはシリーズ過去最高にぐうたらな錬金術士になってしまった。



試験結果はというと、一回目はミスってバッドエンド突入した。 実技試験IIの戦闘は1ターンだけっていうのを理解してなかったので、まず毒でレベル下げようとしたらダメージ0で終了という、だいぶ間抜けなことをやってしまった。 実技試験Iの調合も、いつも適当だったのがアダになって微妙な出来だった。 流石に最初からやり直すのは手間なので、ズルして再度試験受けた。

筆記試験はまあまあ。 回答できた問題が10/20、正解はわからないけど推測で答えられたのが3/20という配分。 あとは正解が思い出せないか、そもそも正解を知らない問いだったので勘で回答。 敵の出現地や採取できる場所など、もう少しいろんな所めぐってれば答えられたんだろうなって問題が数問あった。 前作『ソフィー』での知識で推測できた問題がいくらかあったけど、『フィリス』が初プレイの人、特に図鑑とかあまり見ずに試験まで来た人だと筆記試験は結構難しいかもしれない。 受験するまでの過程で必須になる知識だけで臨むと厳しいんじゃないかと思う。

不合格時と合格時の成績はこのとおり。 50点あたりがボーダーラインっぽい。

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公認錬金術士試験は物語上ちょうど中間ポイントあたりかと思う。 実際ゲーム的にもこれ以降が本番になるけど、試験までの過程で若干モチベーションが落ちてしまった。 プレイ後の感覚で言えば、ゲームの体感密度的には試験前が薄く、試験後が濃い。 なので、全体的にもう少し早い段階に試験が置かれていればよかったと思う。 試験があること自体は肯定的なので、特にフルスハイムでの推薦状集めあたりをもう少し濃密に感じられるような工夫があればよかったかと思う。

また、冒険者免許という今作と似たシステムがあった『トトリ』と比べて言うなら、冒険者免許は具体的に最低限何をどこまで達成すればいいかがはっきりしてたけど、公認錬金術士試験は推薦状が必要という以上の情報がなく試験内容も受けてみるまでわかりづらいので、対策が取りづらい。 ライゼンベルグの街に既に試験を受けた人たちがいたけど、そういう人たちからヒントが得られるようにするなど、もう少しわかりやすさがあればいいなと思った。

シリーズを何作かやった立場としては試験までの過程はどちらかというと面倒という感覚はあったけど、初めて『フィリス』でアトリエを体験する人にとっては、この試験と時間制限のちょうどいいハードルにはなるのかなあと思う。 『トトリ』が初プレイだった自分にとっては、免許の更新が間に合わなくて船を作るまで行けなかった苦い経験があってこそ、2周目以降を楽しめたし、ひいては今に繋がってるという面もあるので、『フィリス』でそういう体験を得る人もいるだろうなと思う。


調合

基本的には前作『ソフィー』と同じパズル形式。 触媒のシステムはまだ使いこなせてる自信はないけど、何を使うかによって出来上がりが変わってくるのは面白い。 今回はラインを埋めるとボーナスがあるという形になってるけど、触媒・色と特性・効果の発現との兼ね合いで複雑度が増して、ちょっと分かりにくくはなった。 全体として『ソフィー』と比べると狙ったものを作るための難易度は上がったし、完全に理解できるまでのハードルは高くなったように思うので、『フィリス』から始めた人にはとっつきにくい部分もあるかなと思う。

これからやる人に前作と今作どっちから始めたらいいかと問われた場合、調合に関してだけ言うならまず『ソフィー』を先にやるように勧める。 ただ、ある程度適当にやっても最低限なんとかはなるというのは変わらないし、逆にいいものを作ろうと思ったときは前作以上に配置や素材選択を練れるようになっている。 前作から難易度の最低ラインはそのままで、上限が上がったといえる形式なので、詰むほど難しくはないし順当に進化してるなあといったところ。

一点、『フィリス』での調合は素材の色がわかりにくいように感じた。 今作では調合時に選ぶ素材の枠部分に色が付いてるけど、鮮やかな色合いじゃなく茶褐色系に寄った色になってるせいか、青と緑の違いがパッと見ではちょっと識別しづらかった。 特別色弱ってわけではないけど、慣れるまでは色で少々迷うことがあった。 『ソフィー』では数字部分に色が付いてたから色の選択で戸惑うことは無かったし、どちらかといえばそっちのほうが分かりやすかった。

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今作の目玉のひとつ、超弩級調合は面白かったね。 フルスハイムでの船の作成は、『トトリ』での船の材料の調合を思い出したし、ストーリー的にもキーポイントだったので楽しかった。 ただ素材を集めて作るだけでなく、合計品質で一定値を超えないといけないっていう必須条件が用意されてるのもいいなと思った。 船の調合では木材が足りなくなってたし、人工太陽を作るときも確か一旦ほかの採取地に行く必要があって、行ったことない採取地に向かわせる動機としても超弩級調合はちょうど良かった。

ほかにあるのかわからないけど、船と人工太陽以外にももう何種類か超弩級調合で作れるアイテムがあればいいなと思うけど、ストーリー進行やフィールド変化に関わるアイテムだから、そうそう多くは種類を用意できなそうなのが惜しい。

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フルスハイムにロジーさんがいるなら、船の調合でも力を貸してくれるかなと思ったけど、そこまで深くは関わってこなかった。 まあゲストキャラ的な位置づけだからということで納得はできるけど、どうせ二作連続で登場するのであれば、こちらの世界観に馴染んだ形でもう少し関わってきてもいいんじゃないかなとも思う。

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今作では素材が無いor少なくて調合で足止め食うっていうのはあんまり無かったか、あってもそこまで大した問題ではなかったように思う。 超弩級調合で船を作るときに木材が足りなかった程度かな。

試験の受験前で一番難しいと感じたのはキルシェちゃんからの課題で出されたアイテムの作成。 無限燃料棒を作ろうにも、その時点ではエリキシルカテゴリの素材がほとんどなかった。 一度目は南アオロ雪原のアイスタワーで調達できた竜のウロコが使えたけど、次の氷中炎灯を作るときにまた必要になった。 ドラゴンに挑む必要が出てきてかなりギリギリの戦いではあったけど、これでなんとか課題は達成できた。 といった感じで、特に難度が高く感じたのはここくらいで、他に入手困難や調合困難ってのは無かったと思う。


おわりに

ざっと以上。 まだプレイ途中なので、今後進行する途中で何か面白いことがあれば別途エントリを建てる予定。 発売からひと月くらいで一旦区切って書こうと思ったけど、ゲームと同時進行で進めてしまったので文量がだいぶ長くなってしまった。 今作は要所要所でまとめるべきだった。

そんな感じで、『フィリスのアトリエ』は当初思った以上に長いこと遊べてるし、この先もエンディングとイベントがかなり残ってるだろうから、まだしばらくは退屈しないで済みそう。 『トトリのアトリエ』もだいぶ遊んだけど、数年後に振り返ったら同じくらいの時間を遊んでた、ってことになりそうな気がする。




不思議シリーズは二作ともだいぶ楽しめる作品になってるので、これからやろうと言う人はどちらか興味ある方だけでも構わないけど、余裕があるならぜひ二作とも遊んでもらいたい。 『ソフィーのアトリエ』はこの記事を投稿した時点でPS4でフリープレイができるようになってるので、試しにでもやってみてほしい。



ソフィーのアトリエ』に関しても感想を書いてるので、参考にどうぞ。