ボクセルちえりんを作った

夏休みの自由工作シリーズ2016年版、今回は木片ブロックで智絵里ちゃんボクセルフィギュアを作ったよ。

f:id:ultimei:20160827205438j:plain:w640

ホームセンターの端材売り場でキューブブロックを見かけたときに「これを使ってボクセルフィギュアを作れそうだな」と思いついて今回実際にやってみたけど、いざ作ってみたら見かけに反して思った以上にブロックの数が必要だったし(今回では250個弱)、その数だけ色を塗って組み上げるのにも手間が掛かったりで、想像してたよりもだいぶ大変だった。

素材を揃えたところから完成までに差し渡り1週間強。 なので、夏休みの自由工作とは書いたけど、今からこの題材で作品を作るとすると始業式までに提出できるかどうかは微妙かも。 というわけで宿題ネタを探しに来た人にはほかの題材をオススメします。 サイズを小さくすれば行けるかもしれないけど、そうじゃなきゃ仮に残り日数をフルに使えて天候が良好だったとしても難しそう。

ブロックのサイズが不揃いだったり木材自体も種類にバラツキがあるのであんまり綺麗に仕上げられなかった部分はあるけど、出来上がり自体はわりかし気に入ってる。 それに、木材とボンドを使った工作は小学校の夏休み以来だったので楽しかったね。 出来上がり70点+楽しさ20点で総合90点ってところかな。 材料費も比較的安価で済むし、その割いろんな具材と工具を使う工作だったので、達成感と充足感が味わえる工作だった。

以下、製作工程と写真など。

設計

まずは今回組み上げるフィギュアの設計。 モデリングにはMagicaVoxelを使った。

f:id:ultimei:20160827205440j:plain:w360

MagicaVoxelについての詳細は先に上げたエントリで書いてるので、詳細はそちらでどうぞ。

モデルが完成したら、組み立てやすいようにパーツごとにばらしたモデルに分割した。

f:id:ultimei:20160827205441j:plain:w200 f:id:ultimei:20160827205442j:plain:w200 f:id:ultimei:20160827205443j:plain:w200
f:id:ultimei:20160827205444j:plain:w200 f:id:ultimei:20160827205445j:plain:w200 f:id:ultimei:20160827205446j:plain:w200

その後、パーツごとに必要なブロックの色の数を計上。 この表は工程管理も兼ねた。

f:id:ultimei:20160827205447j:plain:w480




以下は余談だけど、Cygames製のスマホアプリ Q-BLOCKを使うのもいいと思う。 MagicaVoxelと比べると使える色数とモデルのサイズに制限があるけど、操作や機能はこっちのがシンプルで分かりやすいと思う。

f:id:ultimei:20160827205448j:plain:w180 f:id:ultimei:20160827205450j:plain:w180 f:id:ultimei:20160827205451j:plain:w180 f:id:ultimei:20160827205453j:plain:w180


Q-BLOCK 3Dドットお絵描きツール

Q-BLOCK 3Dドットお絵描きツール

  • Cygames, Inc.
  • エンターテインメント
  • 無料



しかもこのアプリの面白い機能として、作ったモデルのデータをDMM.makeに入稿し、3Dプリントで出力して自宅まで届けてくれるというのがある。 もちろん費用はかかるけど、スマホだけでボクセルフィギュアを製作できるのは便利だなと思う。

f:id:ultimei:20160827205454j:plain:w200:left f:id:ultimei:20160827205455j:plain:w480


ブロックを仕分けする

買ってきたブロックは木材の種類が何種類かごちゃまぜの状態だったので、まずはそれを大まかに分類。 着色を考慮して濃い色と薄い色で二分したけど、着色後の結果から言えばそこまで意味は無かったかもしれない。

f:id:ultimei:20160827205457j:plain:w480

そこからさらにパーツごとに数をそろえて分類。

f:id:ultimei:20160827205459j:plain:w480

ブロックは一辺が概ね1cmの立方体だけど、サイズにはバラツキがあったので、誤差が大きい物は背面や内部の接合部など目立ちにくいところで使うようにした。

ヤスリがけをしてサイズを整えたり面倒りをしたほうが仕上がりは綺麗になっただろうけどやらなかった。 一個ずつヤスリがけするにも数が多いし、かけたあとにいちいちサイズを測るのも手間がかかりすぎて面倒だし。


着色する

着色には絵の具を使った。 白と黒はアクリル絵の具、青赤緑黄色の基本四色はポスターカラー、これを混ぜて使った。 ポスターカラーはたいして使わなかったけど、アクリル絵の具の方は結構な量を使った。 塗り終わったころにはギリギリ足りた程度だったので、特に白は多めに用意したほうがいい。 今回は塗ったあとに木目が残って見えても良しとしたけど、木目が見えなくなる程度まで厚塗りするならもっと必要だろうね。

f:id:ultimei:20160827205501j:plain:w480

服パーツのブロックには着色したあとにさくらんぼも描き加えた。 写真は撮り忘れたので、全体像の方でどうぞ。 最初は描かない予定だったけど、やっぱあったほうがいいなと思って加えた。

髪部分のブロック。 チョコみたいで美味しそうだった。 たべられません。

f:id:ultimei:20160827205503j:plain:w480



ブロックの6面のうち少なくとも1面は接着面になるので5面だけ塗ればいい、接着面が2個所になる個所もあるから場所によっては4面でもいいのだけど、接着面を考慮して塗るのも面倒だったので、ブロックはすべて5面を塗った。

乾燥待ちとかを除いた着色の実作業時間は4〜5時間程度ってところかな。 最初は1面塗って乾燥待ち、という進め方だったけど、時間がかかって仕方なかった。 なので途中からは、3面まとめて塗って、乾燥したら残りの2面を塗るってやり方に改めた。


パーツを構成する

ブロックを接着して腕・胴・脚などパーツごとの形成。 作品メインの作業、一番時間はかかるけど一番楽しい作業。

先に書いたようにサイズにばらつきがあるので、形とサイズの整ったブロックは形状の基礎や中心になる部分、直線部分などに優先的に使った。 逆に、背面・内側や、ブロック・パーツ同士の接着部分となる場所にはサイズの悪いブロックをあてがう。 パーツが出来たら、紙ヤスリでパーツ同士の接合面を整えた。

f:id:ultimei:20160827205508j:plain:w360 f:id:ultimei:20160827205510j:plain:w360

接着には普通の木工ボンドを使用。 接着時、表側にはボンドがはみ出ないように塗って付ける。 逆に裏側の方は若干はみ出す程度に多めに塗りつけてしっかり固定されるようにした。 顔や胴など出来るだけ隙間なく接着したい部分はC型クランプを使って圧着した。


首や髪などの細い部分はボンドでの接着だけでは心もとなかったので、一部釘打ちもした。 ただツインテール部分では失敗したね。 固い木材を選んだ個所だったから釘を打ったら木目が割れてしまったし、打ってる間に接着も剥がれてやり直しになったし。 背面側だったのでまだよかったけど、やり直した結果汚くなってしまった。 この部分は設計時にもうすこしブロック増やしておくか、接着前に釘打ちしておいたほうがよかった。

f:id:ultimei:20160827205515j:plain:w360 f:id:ultimei:20160827205516j:plain:w360


ニスを塗る

パーツが出来たところでニスを塗った。 ここも写真は撮り忘れた。

今回はスプレータイプのウレタンニスを使った。 水性ニスも買っておいたのだけど、試し塗りしたら液ダレするし、ツヤが出過ぎてイマイチだったので使わなかった。 ウレタンニスの方はツヤがでないので見た目は上々。 スプレータイプは今回初めて使ったけど、刷毛の跡も残らず均等に綺麗に塗れるのがいい。

ニス塗りでブロック同士の隙間が埋まることも多少期待したんだけど、それについてはスプレーでは期待したほどの効果は得られなかった。 隙間も綺麗に塗るなら刷毛で塗ったほうがいいね。


パーツを組み立てる

全てのパーツを接着して組み立てる。 ここではボンドがはみ出ないように気をつける、ってくらいで他に特に書くようなことは無い。 組立てが終わったら仕上げに再度全体にニスを吹きつけた。

頭部の前面と背面パーツの接着中の様子。 クランプを使って強めに圧着した。 クランプがだいぶゴツいツインテールに見えて面白かったので写真に撮っておいた。

f:id:ultimei:20160827205518j:plain:w480


台座を作る

本体だけでも自立できなくはなかったけど、さすがにすぐ倒れるので台座を作ってそこに固定。 着色は本体同様アクリル絵の具を使ったけど、仕上げにはラッカースプレーを使った。 写真だとわかりにくいけど、ツヤがある綺麗な表面にできた。 実のところ本体よりも台座の方が綺麗にできたという。

f:id:ultimei:20160827205519j:plain:w480

当初は台座もボンドで固定しようかと思ってたけど、塗料を塗ってから留めると剥がれやすそうだし、かといってマスキングテープを貼って接合部には塗らないようにするとしても綺麗に仕上がるかが微妙だったので、ドリルで穴を開けてネジで留めることにした。

f:id:ultimei:20160827205521j:plain:w360 f:id:ultimei:20160827205523j:plain:w360


出来上がり

組み上がった本体を台座にネジ留めして完成。

f:id:ultimei:20160827205524j:plain:w640

前面側はなかなか綺麗に出来て、特に顔は一番丁寧にやっただけあってよくできた。 肌部分には木目と凹凸が少ないブロック、逆に髪部分には木目があるブロックを使うようにしたので、肌と髪の質感の違いが上手く出せたかなというのが気に入ってるポイント。

f:id:ultimei:20160827205528j:plain:w360 f:id:ultimei:20160827205530j:plain:w360
f:id:ultimei:20160827205526j:plain:w480
f:id:ultimei:20160827205532j:plain:w480

逆に背面側は不揃いなブロックをあてがわざるを得なかったのでかなりガタガタ。 隙間やズレが出来てしまったり、ボンドのはみ出しとかその他もろもろ粗が目立つので背面はあんまりお見せしたくない。 前面と背面でだいぶ出来栄えが異なるびんぼっちゃまくんクオリティ。

f:id:ultimei:20160827205534j:plain:w360 f:id:ultimei:20160827205536j:plain:w360
f:id:ultimei:20160827205537j:plain:w360 f:id:ultimei:20160827205539j:plain:w360

釘が打てなかった都合上、かかとに補強用の木片をあてがったのも見た目的に微妙。 着色すればもうちょいマシに見えたかもしれないけど、補強はブロックの着色が済んでから付け加えたもので後から同じ色が作れなそうだったので塗らなかった。

f:id:ultimei:20160827205541j:plain:w480

側面・脚部・胸部など。

f:id:ultimei:20160827205543j:plain:w480
f:id:ultimei:20160827205544j:plain:w360 f:id:ultimei:20160827205546j:plain:w360
f:id:ultimei:20160827205547j:plain:w480



ミニッチュちえりんと並べるとこんな感じ。

f:id:ultimei:20160827205549j:plain:w480

色合いに関しては、設計時のモデルと同様に明るめ・濃いめの色合いにしようと思って色付けしたのだけど、肌色と服の緑がすこし濃すぎたね。 こうして並べると、もうすこし色合いを薄くしてもよかったなと思う。

あずき色とチョコレート色の間のような智絵里特有の髪の色は、着色時点では上手く再現できたかなと思ってたんだけど、ニスを塗ったら濃い茶色になってしまった。 赤さに関しては写真だと丁度いい具合なんだけど、もうすこし明るさが出るようにしたかった。 ニス塗りでの色の変化があるのは難しいね。


その他所感

今回は着色を先にやって、ヤスリがけはしなかった。 もし平面が多い形状のフィギュアなら、先に接着をしてからヤスリがけと着色をやった方が綺麗にできたと思う。 今回はそれをやるとしても、凹凸が多くブロックが入り組んでるので、仕上がりに差異が出たり色がはみ出したりするリスクの方が大きいと思ったので左記の手順にした。

ブロックのサイズが不均一だったのも扱いが難しいポイントだった。 今回は必要な数だけブロックを買ってきたけど、とりあえず大量にブロックを買い込んだあとでサイズと材質がいいものだけをチョイスするようにするのも良かったかも。 ブロックは袋にめいっぱい詰めて150個程度それで400円弱だったので、そのやり方でもそこまで大きい出費にはならない。 まあその分不揃いなブロックが大量に残ってもったいないことになるけど。

もし綺麗に型をとれるなら次は紙粘土あたりでやってみるのもいいかなと思った。 紙粘土ならもっと柔らかい質感になるだろうし。 ただ木材と比べると脆くなりそうな懸念はある。

完成品の高さが15cm・幅が12cm程度。 まーた地味に場所を取るものを作ってしまったって感はある。 置く場所がな…